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VOICE 有限会社 山下商事

認定事業者インタビュー VICE

優良産廃処理事業者認定を受けた事業者は、既に宮崎県にも十数社あります。一般的には未だ馴染みが深いとは言い難い本制度の認定を、どの様な想いで取得したのか。今回の企画「Voice」(ボイス)では、簡単とは言えない5つの条件をクリアして認定を受けた事業者の方に、その胸の内を尋ねてみました。

※取材はスタッフを含め全員マスク着用で行いましたが、撮影時のみマスクを取って頂きました。

vol.2 有限会社 山下商事 代表取締役 山下栄
 

電子マニフェストの普及

第二回目のインタビューは、電子マニフェストのインストラクターをされている山下商事の山下社長です。電子マニフェストに対応することは、本制度の認定に不可欠な事項。電子マニフェスト普及に尽力され、その成り行きを知る山下社長から見た、優良認定の今後の展開などを伺っていきたいと思います。

事務員の女性に書類を渡す男性

「電子マニフェストが創設されてから20年以上経ちますが、初めはなかなか普及しませんでした。でも今はその普及率は全国で68%を超えています(2021年11月現在)。国としても紙のマニフェストより、きちんと実態が把握出来る電子マニフェストを推進しています。なにより、電子マニフェストは使ってみるとこれが凄く便利なんですよ」

2022年度には電子マニフェストの普及率を70%まで引き上げることが閣議決定されたようです。これから更に制度として拍車が掛かりそうですね。本県ではどうなんでしょうか。

「宮崎県でも年々、普及は進んでいます。一部特別管理廃棄物に関しては電子マニフェストの義務化されましたし、これからもその範囲は徐々に拡がっていくと見られています。将来的には全て電子マニフェストになっていくんじゃないでしょうか。全国で普及率が上がってきたのは、義務化の流れももちろんありますが、発足当初に比べて導入が凄く緩和されてきているというのもあります」

全国でも関東方面は電子マニフェストの普及率が高いとのこと。地方となるとどうしても排出側が電子マニフェストに対応していない機会が多いそうで、電子マニフェストの導入にどうしても及び腰になってしまうという事業者さんもいらっしゃるそうですが、導入は思ったより簡単に出来るんですね。

「昔はガチガチの書類を出さないといけなかったので、そのイメージがあるのかも知れませんね(笑)今は随分と簡単に導入出来ますし、何より便利です。扱った廃棄物の量も全てデータになっているので、計算も手動でする必要は有りませんしね。今は新型コロナウイルスで大変ですが、防疫の面でも、手から手へ紙を受け渡したりしなくて良いので、ここへ来て更に電子マニフェストが見直されてるようです」

プレハブの前に立つ男性
 

胸を張って言える

第一回目のインタビューでも伺いましたが、ここで山下商事さんにも認定取得して良かったと思われた事をお伺いします。

「そうですね。やはり認定取得事業者ですと、堂々と言える様になったというのは大きいと思います。排出事業者様の視察の際に、必ず聞かれる項目があります。『優良産廃処理事業者ですか?』という質問です。これはまだ義務ではないので、『いいえ』と答えても問題無いわけですが、私はそこが辛かったです(笑)今では胸を張って『はい』と答えることが出来ます」

山下社長の実直な性格が現れた回答ですね。認定取得の際にご苦労なされたことなどはあるのでしょうか。

「もちろん事務方には頑張ってもらいましたが、既に取得されていた事業者さんもいらっしゃいましたし、取得は大変だという事を散々訊いていたので、当初思っていたほど困難ではなかったですよ(笑)」

工場の中
 

出来るならやるべき

最後に、電子マニフェストの普及に努められ、その遍歴を見て来られた山下社長に、本認定制度がこれからどうなっていくのか尋ねてみたいと思います。

「優良認定は電子マニフェストと違い、全ての事業者に取らせようという趣旨ではないので、電子マニフェストの様に義務化していくという事はないと思います。しかし、関東の方でも言われることなのですが、制度としてインセンティブが少ないという声もありますので、これから認定取得事業者に国が何らかのインセンティブを与えるという事は考えられますね。もちろん民間企業ですから、企業にとってのメリットは大事です。それに伴って認定事業者が増えることも考えられます。ただ、制度そのものの趣旨はあくまでクリーンで安心な事業者であることに対する認定です。法律を遵守して、環境を守っていくという意味でも、今取得出来るならやるべきだと思います」

認定制度はこれからも少しずつ改善していくであろうという山下社長の見解でしたが、やはり【優良産廃処理事業者】という誇りをもって事業に勤しむ事が、本来のあるべき制度のあり方なのかも知れません。