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VOICE Vol.4 太信鉄源 株式会社

認定事業者インタビュー VICE

第4弾は創業70年という太信鉄源さん。比較的新しい認定制度を、老舗の社長はどう見るのでしょうか。

※取材はスタッフを含め全員マスク着用で行いましたが、撮影時のマスクを取って頂きました。

Vol.4 太信鉄源 株式会社 代表取締役 河東光浩
 

模範となるために

太信鉄源さんは、鉄スクラップをメインとした金属のリサイクル事業を営んでおられます。代表取締役の河東さんは、日本鉄リサイクル工業会の九州支部長も務められている(2023年現在)そうです。創業は古く、太信鉄源さんとしては昭和49年から、前身の株式会社河東商会と併せると70年の歴史があるということです。老舗の目線で本認定制度について語って頂きます。

先ずは太信鉄源さんの事業と日本鉄リサイクル工業会について、具体的なお話を伺いました。

「簡単に言うと金属のリサイクルなんですが、自動車リサイクル法に則った自動車のリサイクルと中古パーツの販売。あと家電リサイクル法というのもあって、これに則り家電のリサイクルもやってます。これについては2001年の4月から国の認定を受けて取り組んでますね。そして日本鉄リサイクル工業会というのは鉄くずのリサイクルに特化した団体です。会員数はそんなに多くはないんですが、全国に約1,000社くらいですね。九州支部長というのは『やらされてる』んですよ(笑)」

自動車のボディを破砕できるシュレッダープラントをお持ちなのは、県内だと太信鉄源さんだけなのだそうで、金属リサイクルに特化してやってきたという強みも伺い知れます。そんな太信鉄源さんが優良認定取得に動いたきっかけはなんだったのでしょうか。

「初めはISOを取得したことに始まるんですが、産業廃棄物連合会というのが有りまして、こちらも全国の青年部副会長をやらせて頂いたという経緯があってですね。そんな中で青年部の中からこの優良認定の話を聞く機会があって、うちも是非とも取ったほうがいいかなとなったわけです」

ISOは2004年に取得し、本優良認定も始まってすぐに取得に動いたそうです。役員という立場上、模範とならなければというような思いもあったとか。

 

申請は社長自ら

太信鉄源さんも優良認定制度が確立して間もない時期に認定取得されたそうですが、やはりそれなりのご苦労はあったのでしょうか。

「認定の申請手続きに関しては、私が3割、あとは私の妻が準備をしましたね。時間は掛かりましたが、申請の手引きを頼りになんとか出来上がりましたよ。インターネットをつかった情報開示も妻と二人で出来ましたしね。前身の河東商会の許可申請なども、私が自分でやりましたから、そういった手続きには多少抵抗感が薄いというのもあるかも知れませんね」

『最初は自分でやらなければ』という意識があったという河東さん。資料作りはなれているとは言えど、社長業と平行しての申請の準備には1年ほどかかったそうです。それでも、制度をより理解するには良い機会だったと言います。そうして取得した優良認定ですが、取得して良かったと思う点についても伺います。

「社内の意識改善が見られたというのはありますが、これは優良認定そのものというより、その条件となっているISOの方が影響は大きいのかも知れませんね。勿論、優良認定も影響はあるのでしょうが、殊更社内の雰囲気について言えばISOが大きいと思います。逆に対外的には優良認定を取得したことで、お客様、特に行政様の見る目が少し変わったというのがありますよね」

 

損得より善悪を

ご自分にもストイックな河東さんですが、優良認定制度や、これから優良認定を取得しようと考えられている事業者さんに対しての想いなどあれば、伺いたいと思います。

「やっぱり申請する経営者が、この制度を自分である程度、把握しないといけないと思いますね。制度の意図というのを理解して欲しいです。そして取得後はもう一度襟を正して事業に取り組んで貰いたいです。この業界は社会に必要な仕事だとは思いますが、一歩間違えば社会に大きな迷惑も掛けてしまう程影響力もあります。只の『損得』ではなく、『善悪』で判断して仕事をして欲しいと思っています」

損得ではなく善悪で判断して欲しいという河東さんのご意見は、優良認定制度の意図に通ずるものがありました。大きなメリットがあればみんなが取得するであろうと推察される中で、メリットだけを見るのではなく、先ずは取得して『善い経営』をしていこうということでした。

インタビュー終わりに、ちょっと厳しく言い過ぎましたかねと笑っておられましたが、自らの事業を飛び越え、業界全体に対する真摯な姿勢と真っ直ぐな想いが伝わる河東さんのお話でした。